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小雨の降る午後のひととき、傘を持って出かけた先は「田尻あんず祭り」。


会場となった田尻町は、鞆町(鞆の浦)の北隣の町です。この地方は
古くからあんず(杏)の栽培がさかんで、広島県では代表的なあんずの産地として
ご存知の方も多いと思います。農林水産省の資料でも、北広島町と並んで
田尻町の地名が挙げられます。


全国的に見ると、杏の栽培は青森県と長野県が国内出荷量のほとんどを
占めており、3位以下はかなり数字も落ち、団子状態で並んでいるのですが
そんななか、広島県のあんず出荷量は近年、全国3~6位とまず健闘しています。


田尻あんず祭2008
あんずの実がなるのは初夏の頃、この季節には桜と見紛うかのような
淡紅色のあんずの花見が楽しめます。それが田尻のあんず祭りです。
(写真はふもとの通りのテント会場。露店や抹茶席が設けられていました)




田尻のあんず
※ 上記の写真は、初夏のあんず収穫の頃。中島商店提供(感謝!)。


< 福山市田尻町・あんずの歴史・あんずの説明 >


300年ほど昔、瀬戸内海に面する田尻町(福山市南部)・円明寺の住職が、九州豊後の国(大分県)から種を持ち帰ったのが始まりとされています。瀬戸内の春を告げるあんず(杏)は、うす桃色のかわいい花を咲かせ、初夏にオレンジ色の甘酸っぱい実をつけるさわやかな果実です。田尻のあんずは品質が良く「広島大杏」の称号を受けています。

「福山(田尻)あんずの歴史」~福山市・中島商店「備後あめ玉 / あんず飴」商品説明より引用・一部追記


古くから薬用としても重宝されたあんずの実、咳止めや風邪の予防の生薬、
疲労回復など実から種まで、その効用はあまねく使用されてきました。


食用としてのあんずの実は生食用のほか、ジャムや干し果実、
缶詰などに利用されるとのこと。福山市内でも、いくつかのお菓子メーカーなどは
杏を製菓原料としても使用されていますね。


と、うんちくはここまで。では、早速、今日撮ってきた写真を並べます。
天気が悪いのと腕が悪いのでイマイチな写真だらけですが、そこはご愛嬌。


なお、あんずの開花状況は、その多くの木が1分~3分咲き程度。先日、
コメント欄でkanonさんに教えていただいた通り、来週くらいには
ほとんどの木が見頃を迎えるんだろうなと、ぼくも思いました。
(情報提供、本当にありがとうございました)


田尻あんず祭2008
会場は田尻町一帯です。駐車場から進むこと数分、冒頭のテント会場のそばに
田尻民俗資料館があります。この日は無料開放、ということで帰りに寄ってきました
(こちらの資料館は特に2階が見どころありです)。


この日は、田尻民俗資料館のすぐ正面から、シャトルバスが運行されていました。
本当はそれに乗って、あんず農地の端から端まで散策するのが、田尻あんず祭りの
正式なルートなのだそうです。しかしながら、雨模様とこの日の予定の都合もあって、
今日の僕は正規のルートからおよそ逆走する形で全工程の半分ほどだけ
歩いてまわらせてもらうことにしました。


ということで、田尻民俗資料館の小脇の道からスタート。
けっこうな坂道を登っていきます。


田尻あんず祭2008
道中はこんな感じ。歩いているだけでなんだかワクワクしてきます。

田尻あんず祭2008
石垣のある風景。

田尻あんず祭2008
小高い丘の上を歩くので、東を向くと田尻の海が一望できます。

田尻あんず祭2008
道順を逆にたどったせいなのか、さらに上へ上へとのぼる形になりました。
けっこうたいへん。歩くのは好きだからいいんですけど。

田尻あんず祭2008
道中のほとんどの木がこの状態です。しかし、来週あたりには、
田尻のふもとの道(鞆へと続く道)から見上げるこの地帯が、ホント綺麗なんでしょうね。
楽しみが増えたなぁ。こりゃいいや。

田尻あんず祭2008
会場でもっとも高い場所(?)にある前神寺というところで、
抹茶が飲めるようになっていました。とここで、海を眺めながら、ぼんやり一服。
200円で味わえる至福のひととき。

田尻あんず祭2008
絵的には竹の柵が邪魔なんですけど、まぁ、こんな眺望なんですよと。

田尻あんず祭2008
束の間の休憩のあと、再び歩き始めることに。写真中央少し左に見える校舎、
あそこの駐車場から歩いてきたんです。けっこう距離ありますでしょ。

田尻あんず祭2008
ぼちぼちと近づいてきたのは、あんず品種試験場。目の前の路地で、
ところ狭しと露店が並んでいます。ここで一服も良かったかな。

田尻あんず祭2008
前神寺のお抹茶席で教えていただいていた通り、試験場あたりは
けっこうあんずの花、咲いていました。これは嬉しい。

田尻あんず祭2008
試験場を過ぎたあたりに見えた看板。「あんず発祥の寺」。こういうの聞くと、
すごい楽しくなる。ここだけ!とか、本日限り!とか聞いたときの感情(!)。

田尻あんず祭2008
境内にぽつりと咲く花。円明寺はいい意味でこじんまりとした静かな寺の印象。
こちらには聖徳太子作と伝えられる「観自在菩薩」像が納められているそうな。

田尻あんず祭2008
鐘のない鐘突き堂。

田尻あんず祭2008
円明寺の小脇にある「杏発祥の地・記念碑」。

田尻あんず祭2008
円明寺のすぐそばだったかで見つけた杏の花。枝に掛けられた短
冊の文字に惹かれ。書かれてあるのは、「花を愛でるだけ」。


といったところで、下山。残り半分の行程に後ろ髪惹かれつつ、
急な坂道を下りていきました。田尻の道は、尾道の小路地をもう少し
ゆったりとした感じ。ところどころに風情を感じます。


田尻あんず祭2008
駐車場となった学校や道中では、この日のためかな、子供たちの絵も
たくさん展示されていました。

田尻あんず祭2008
こちらは本会場の裏手というべきか、あんずの並木通り。沿道に植えられた
あんずの木は、この日、1~3分咲き程度でしたが、今週にかけてきっと
美しく花開くことでしょう。鞆に行かれる用事のある方は、少し脇にそれて
この並木通りを通って進むのも良いかもしれませんね。


--


といったところで、あんず祭りレポートは終わりです。来年もまた行きたいな、
というか、花が咲く頃、実がなる頃に、また訪れたいなと思えるような、良い所です。


福山市の市の花は「バラ」。あんずもバラ科の植物。ということで、
田尻のあんずをもっともっといろんな方に知っていただきたい、食していただきたいと
仕事の関係上ってのもありますが、考えたりしています。そのせいあってか、
冒頭、ちょっと語りが多くなってしまいましたね(汗)。


ま、豆知識程度でもいいので、活用していただけたら。と、記事打ち込み中、
中島さんのあんず飴を頬張りつつこの記事を書きつづったヘイジでありました。ではでは。




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